熱帯夜/AquArium
 
れない

ねえ
接している
面と線が

ねえ
なぜこんなに
悲しいの

そっと
触れたくちびるの
湿っぽさがまだ
身体中を支配している
もう、
動けないよ

それでも、
目を背けずにはいられなくて
指を、
絡めた
じわじわと迎えに来た痛みの正体を
教えて

ねえ
嗤わないで
いいから、

ねえ
熱くて
どうしたらいい

すり抜けていく
あたしの言葉をぬるくする視線、
いらないのに
目を逸らさずにいる
あたしは
誰よりも弱い

肋骨を、
ひとつひとつ
なぞっていく過程に愛がないことも
まぼろしみたいな
触れあいに溶
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