八月の小石/小池房枝
 
人恋し妖かし恋しカラスウリ

流れてく雲の先にも夏の空

炎天下無人の公園カンナ燃ゆ

土星環消失まっすぐ地球見てる
 
涼しさや蔑称幾つか引き受けて

スコールにはしゃいでる子らはプール帰り

うろこぐも空深く怪魚見え隠れ
 
新涼やしゃりりしゃりりとあずき研ぐ


星々にまつろわぬ果ての地球人

駅弁の輪ゴム水色夏仕様

紀の国はみかんの国とアゲハチョウ

あの山を越えれば海か本当か

伏流水今涸れてても川は川

ミヤマカラスアゲハの羽は黒翠り

道の駅さくさくハムかつ雨宿り

彫り出され漆黒の走るカメレオン


ツユクサに紺
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