恐竜時代/さき
 
でも
自分が死んでも
それはそれで仕方ないこと
その代わり他の人にも関心がない
助けてもらえないし
誰も助けない
まだ
人が生まれる前の話
善悪が生まれる前の話


ただし
なんでも食べられるようになった
皮膚が硬くなり
舌が長くなり
瞳孔が縦になって
嫌いだった虫でも
身体にとっては必要なものだと分かったから食べられる
前は誰かに言われたレシピで
イタリアンとかフレンチとか
懐かしいなんて無縁のものばかり作っては食べていたけれど
どんなに苦くてダサくてまずくても
もっと実直で誠実な食べ物
これが生きる力になる


そうだよ
生きる意味なんても
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