追悼/雅寛
二度と無いあの部屋に、
僕は向かうけれど、
途中で君に会いました。
二人で、何処へ行くのでしょう?
彼と一緒に帰るのかな?
僕は彼と眼を合わせて、
ちょっと笑っただけ。
何も、彼女に言えませんでした。
何も、彼女は言いませんでした。
ああ、もうあの頃の夢は終わったんだね。
ちょっと寂しい心地が、しました。
何だか下らないから、
家に帰ろうとしていた矢先、
年下の後輩に会って、
何だかクリームパンを食べたく成りました。
校門に並んだボロ切れのカタマリは、
クリームパンを焼いていたから。
僕は二人で焼きたてのクリームパンを頼みました。
100円なら安い話。
と
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