ミナモ/mugi
のそとのボクをどうじに現象させている、ガラス玉のように
すずしげな瞳で、いつか両親につれられていった海辺の街をながめている、まっすぐにのびた道路のさ
きに、にげ水がみえる、少年には、それがとても親しいもののようにみえる、なぜ、ボクから遠ざかろ
うとするのだろう、ママ、じっさいにはすぐとなりに母親はいるというのに、まったく、海からの照り
かえしは眩しくて、静かに目をつむる、そこに存在していた光や空気のふるえを、いま、ここに接続す
るために、
◆2
みたことのない町だった、パレードのさなかで、なにを祝福しているのかをしらなかった、雲がものす
ごいはやさでか
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)