終末と、始源と/まーつん
 
して あなたの手の内に 安らぐことはなく
 どんなに豊かな雨に溺れても 渇きが癒えることはない
 どんなにささかな緑でさえをも 永く慈しむことができない

 どうして私が そんな彼等の手前勝手な嘆きを刻んだ
 重い石の塊を 支えなければならない道理があるでしょうか?゛

神は暫し両手を突き 俯いたままだったが
やがて顔を上げた時 その両目は乾いていた

゛大地よ お前の言い分は正しい だが
 大きい者は 常に小さき者の痛みを かき抱くものだ
 お前の傷は やがて癒える だが彼らの傷は そうではない
 死してなお 人は自らの過ちが招いた傷の痛みから 逃れることはできないのだ
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