運送/石川和広
 

私に暖かさは

いつどこでだれとなにをしたかマトメラレナイ
全ては詰問なり
言葉は暴力なのに
それで
火を囲み始めて
したたらせあうツバキの

私はあなた方と同じではないもの
そしてなんとしても似ていると思わなければ、同一性を確保しながら
離脱して行かねば
私が言葉を放棄した、この冷凍倉庫にはりつきつつある皮膚は
あなたたちとともに見ながら、お互いが決定的に違う石の神に
願いを託していたので

ある人は言った
人間は感覚の束だと
しかし浮かぶ印象の潜水艦、あやめ池に浮かぶ若葉
スケートリンク、これらを一束にしている、この傍観服はもうほころんでいて
死ん
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