運送/石川和広
死んだ悲しみがチックとなりウメキとなり
喜びながら私は溶け
言葉を書き
違う
違いすぎること
あなたが生み育てた心が、引き千切れる痛みの痒くなり往く
だけれども
あかしだてるのだ
殺し合う言葉の中で
やはり言葉はネガフィルムではないのだから
私は「ことばなんて覚えなければよかった」とは
やはり
思えないのだ
なぜ暗がりの中に何もかも捨てたがる
またメールを打った
三千世界から、よくわからない不法投棄場所を巡り
さまざまな言葉状の液体の流入を
笑ってサーフしながら
私が染み出しても空っぽにはならない
なぜだか、暖かい
これだけを守って
陸海空
自転車を走らせてきた
だからも
けれどもない
私の魂なんかとりたくもないだろうが
歩き始める端から、汗がおちてくる
冬らしいのに
手渡すこの手に
しなびた豆がただひとつ
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