薄明かり/
 
 明かりは、石造りの壁を正確な長方形にぶち抜いたとでも言おうか、これが出入り口となるものらしい---ところから漏れていた。その出入口の横に、ちょうどその壁に当てはまるような鉄製の・・・ああ、これが扉なのだろうか。構造は僕の家の物とほとんど同じなのだけれど、かなりの正確さで造られている。茶色に、焦げたかのようにほとんどが変色している。僕はその扉であったであろう物の近くまで歩き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 絶句した。
 ここは洞窟なんてものじゃなかった。
 ここは、「超高層ビル」の一角。
 ここは、旧人の作り上げた無駄に高い建造
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