山田せばすちゃんショウ・・・何回目か忘れた(苦笑)「酷評の彼方に」/山田せばすちゃん
 
ないか。それはつまり逆に言えば、たった一つの作品は無数の読者の目に触れ、読まれることによって無数の「作品」として成立するということでもあるのだけれど。そしてその読者も、一度目に読んだときと二度目に読んだときとのあいだにもし「作品」の印象が変わることがあったりしたら、一度目に読んだときの「作品」と二度目に読んだときの「作品」は実は違うものであるということになるのかもしれない。もちろん、二度目、三度目はそれまでに成立した過去の「作品」の印象をいやおうなしに引きずるものであるだろうけれども。「作品」はそのときその場所でのみ成立する一回きりの体験としてある、したがってひとつの作品によって成立する「作品」の
[次のページ]
戻る   Point(7)