闇の語り手/いねむり猫
 
の背に隠している 深い傷跡のような 凶悪な刃物のような
それでも おまえの ごつごつと装飾された背骨を支えている 
それら闇の住人たちの 

封印された声を 伝える者なのだ

これまでも 何度か おまえを訪ね 
誘惑は 無視されてきた

けれど おまえの闇は 
決して 去ることも 鎮められることもない

ただ 時間だけが 
おまえによって 止められている 

だから おまえの奥底に潜む 隠された夢は 
いつでも 生き返り また好きなだけ うごめく

今こそ 穏やかに壁を開き 互いの系譜を 確かめ合うのだ
 
その先に
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