闇の語り手/
いねむり猫
先に 何が待つのか
それは 分からない
ただ 相互に語り始めることが必要なのだ
おまえが 生き続けるために
なにより 黒くつやつやとした血を分けた 闇の住人たちと
おまえ自身が 語り合いたかったはず だ
ずっと 以前から
夜半の犬は おまえの背をまたそっと
その真っ黒な鼻ずらで
押している
冥界からの激しい風は
夜半の犬の 長い体毛を 星空へと吹き上げ
黄金の月の光を 細くちりばめる
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