春の海で眠りたい/AquArium
秋口の影が未だにアスファルトに焼きついている
ああ
なまぬるさが突き刺す冷たさに変わる
境目がわからないような感覚
そんな曖昧さで
なんとか保っていた均衡
ああ
唯一の心残りだと
大事にしていたわたしの覚悟
不純物までも一緒くたにしてしまう君の海で
一瞬で波に浚われてしまった
+
3.
始まりも終わりもない
不完全さで
現実を直視できない言い訳を作ったのは
紛れもなくわたし、
わたしでしかないんだ
正しすぎた忠告を
まるごと全部足枷に変えて
新しい空気を吸えなくしたのも、
誰でもないわたし、
わたしでしかないんだ
土地勘
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