春の海で眠りたい/AquArium
 
に石化してしまったつま先を
冷たい雨でさえ溶かしてはくれない
振り返れば全身が固体になると思った
夜はまだ明けない

ハルシオンに託してみたら
今夜すべて流れていく、
気がした
けれど夢にさえもなりえない
瞼の裏側が熱くなっては冷めた

答えは問わない沈黙の中
澱みない言葉の儚さ
薄ら笑いに消えていく嘘
となりで笑う誰かがじっと、
わたしを見抜こうとする

ボトルキープ
したところで次はない
わたしが決めたんだ
次はない、二度とない
終着点はどこにもない



ああ
噛み合わない日常の中に
薄い薄い光を纏って
最大限の照明を駆使した
秋口
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