美香/「Y」
ね」
「悪気は無かった。多分、慣れていないせいだと思う」と昌は言う。
翌朝、昌は美香からもらったチョコレートを食べた。美香にもチョコレートを勧めてみる。
彼女は言った。「ありがとう。気持ちだけもらっとく」
そして美香は、頬を赤く染めながら、白くてひらべったい腹を出し、脇腹に設えられたバッテリーに充電を始める。
午前十時を過ぎた頃、ロボット研究所の職員が昌の部屋を訪れた。美香を連れ戻すために。
「済みません。想定外ではないのですが、部外者にここまで惚れるというのは、計算外でした」
「計算外」と昌は呟いた。「惚れっぽいんですか」
職員は大きくかぶりを振る。
「報酬系の
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