美香/「Y」
 
嫌うロボット……。
 昌は心の中で言葉を呟いていた。
「ねえ。うまく眠れないんでしょう」
 暗闇の中、美香が昌に声を掛ける。「私が、人間じゃないからだよね」
「ちょっと違う」と昌は答えた。「美香が、どうしてもロボットに見えないからさ。……それにしても、どうして君は、白い息を吐くことができるんだろう」
「白い息?」
「訪ねてきたとき、ドアの外で寒そうにしてた。白い息を吐いてさ」
 美香は小さなため息をつき、言葉を返す。「女の子のデリカシーっていうのを、全然分ってないんだね。一応、人並みに、傷つくような作りになっているんだから。断っておくけど、取り扱い説明書を見せろとか、言わないでよね」
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