食卓/
 
も何匹も 鳴き声を殺したまま向かってくる

気が付けばそこには
この午後を焼き尽くすかのような夕日

今夜は薄味のサラダが食べたい
ぼんやりとそんなことを思いながら
背泳ぎで元居た場所を目指し始める

泳ぐのは死ぬほど嫌いであるが 食べなければ生きてはいけない




+


あなたはもういらない と
誰もが声に出さずに言う
言い返す気力すら無いまま ただそれに頷く

あなたを食べたいです と
誰かが声に出して言う
聞こえないふりすらせずに ただそれを無視する


+




夜が来て 朝が来る
朝が来て 夜が来る
カーテンの隙間か
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