食卓/
 
間から 壊れた海を覗く

台所でゲーム機が
玄関で携帯電話が
廊下で目覚まし時計が
それぞれやかましく音を立てている

ベッドにはフォークとナイフ




やがて来る眠りのことを考えながら
会いたい誰かを思い浮かべようとする
それを滑稽なことだと 誰が言えただろう

浮かばない顔の向こう側
空っぽになった腹の底から 間抜けな音が鳴った








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