恒常の異物/salco
いると、芥川龍之介が好んで使った「神経」という持ち物、凡人の感知しない事柄に気
付いてしまう、常人が持たぬ思惟領域へ疾走してしまう、その獲得形質と世俗とのギャップがしきりに思われる。
優れた作家とはジャーナル(頒布)の意図と直接関係なく、描きたいが為に書き込む事で「神経」を疲弊する上、個の隔絶を私のごとき頭の
悪い有象無象に読まれる事で、こうして蹂躙されているのだと思われて来る。そこに名誉などありはしない。
共有されない孤絶の労作の重量を、卑俗の功名心を煽ってやまないギネスブックの「記録」、物理現象を騒ぐその脳天気加減と比べてみるが
いい。
こうして延々「神経」を踏みにじられ
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