白い砂利/HAL
誰にでも烙印は捺される
火傷の熱さもなく肌を抉られる痛みも覚えず
それはいつも自分には見えない身体の部分が選ばれる
自分には見えなくとも他者にははっきりと見える位置に
転落者とも落後者とも堕落者とも裏切り者とも
捺される烙印の文字は無限大にある
ときにはその文字さえなく唯の番号だけの場合もある
しかしそれは常に他者の独断によって
捺されるもの捺されない者が類別される
その捺された者の生と烙印に大きな乖離があったとしても
審判もなく弁護士もつかず裁判は結審する
烙印が捺されれば その者の生はそのとき死滅する
烙印を捺す決定権を持つ者は
一見 強者と想われ
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