文学の夜/MOJO
 
座っていた俺が、突然の怒号にびっくりして振り返ると、ソファーの辺りでコテハンHが俺の従兄弟に胸倉をつかまれて固まっている。
「まあまあワタル、こいつは俺のダチだ。許してやってくれ」と俺。
「いや、だめだね。いくらケイちゃん(俺のこと)のダチでも、こいつだけは、勘弁ならねー!」
 アキちゃんは、あー、またか、と、両手を広げ、小首をかしげて笑っている。
「ワタル、頼むから今日のところはここで引いてくれよ」
 ワタルはジーンズのボタンを外し、チャックを下げ、イチモツを晒し、ぶらぶらさせている。
「ほれ、欲しいか? 欲しいか?」
 どうも、Hはゲイと間違えられているらしい。そのうち、ワタルは
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