リベルテ/Lily Philia
 
くゆっている。
蟹たちの泡の声の奥ではまた
ららるら、ららるら
と、音がなっている。
きこえない音がなっている。
そうしてそれらが
小さな輪をたくさん
たくさん浮かべて
ひかりだかかげだかわからなくなって
神さまが与えてくださったものに
それはとてもよく似せて
永遠のように揺れてみせる。
沈黙の中を明滅しているものや
くらいところでばらばらだったものが
ひとつづきへとつながる調律
やさしい音、ほとんど消え入りそうな音
それと青いひかりが
あたしに輪郭をあたえる。
からだの部分をうちつけて
じゆうなたましいが
いっせいにひるがえっている。
かなたまで。

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