てんごくからのがらくた/Lily Philia
 
でも等しく連なってゆく。
 あたりまえのような温度にのまれ、
 あたしは骨みたいに拾われるのを
 待ち続けていた。

 (いま光が満ちてくる。)

なな色。虹の色に絡まった陽の中を泳ぐ。
引き止めようとする一線を
そっと爪先でこえる。
ひとつぶずつ、
生まれてくるひとつぶずつを
慎重にかじかんだ指でひらいてゆく。
砂鉄みたいに集まり始める光。
光の輪。
片っ端から失われてはひろがる、
呼吸たちの臨終。
(なびくたなびく。
鮮やかに翻る花の色が洪水。)
ソーダ水みたいにのぼっていって
日光の軽く穏やかな爪に剥がされて
点から線へ。線から千へ。千へ。せんへ。
[次のページ]
戻る   Point(4)