君の手のひらに触れようとしても、怒らないで欲しい/ブライアン
百姓が腰をかけている。ここに座って晩御飯でも食べないか、と誘う。
まだあたりをきょろきょろとしながら、促されるまま百姓の横に座る。百姓はバナナの皮をむき一口食べた。何も言わなかった。太陽の日差しが木々の隙間から射す。反射する光が交錯して百姓のバナナを切り刻む。百姓は地面に落ちたバナナを見た。かまいたちを捕まえに行こう、と言った。まだここがどこか分からない。導かれるままについていく。すると足の脛に大きな傷がついていた。やられたな、と百姓は言った。やられたみたいだ、と答えた。
一軒の小屋の扉を開くと、驚くほど暗かった。ここから先が夜というんだ、と百姓は教えてくれた。知っている夜と違う、と言うと
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)