詩作行為の倫理学/葉leaf
の滲む酒場を
ひっそりと私は魚となって泳いでゆく
(雨森沈美「丘、または酒場で」GT0007 )
まずここで詩作行為の対象(what)を「酒場」という抽象的なものだと考えよう。雨森は酒場を、「雨が滲む」という形容を施し、また「私」が泳ぐ場所として描いている。雨森はここで(1)何を(what)(2)どのように(how)描いているかというと、(1)抽象的な酒場というものを、(2)形容しまた主体が行為する場所として、描いている。
次に、ここで描かれている対象(what)を、具体的な酒場としてとらえよう。すると、ここでは、「雨が滲み私が泳ぐ場所となっている酒場」が詩作行為の対象(what
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