詩作行為の倫理学/葉leaf
 
そのような規則は規範と呼べる。一方で、(2)特に社会的に歓迎されるわけではないが、個人的に好んで従うような規則は格率と呼べる。さらに、(3)規範や格率のように、意識的に定立されたものではないが、詩人の個性の流出として自然に形成される規則(個性的スタイル)というものがある。これら三種の規則を包括して、私は「スタイル」(あるいは「様式」)という言葉を使いたい。
 なお、規範や格率については、その規則に「従うべき」という当為(すなわち評価)が伴っているが、個性的スタイルについては、詩人がそのスタイルに「従っている」という事実があるのみである。もちろん、規範や格率が個性的スタイルに浸透し、あるいは個性的
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