詩作行為の倫理学/葉leaf
とされているのは欲求であり、規範ではない。欲求(目的)を実現させるべく、その手段を模索し、手段を積み重ねる。これは無条件に規範に従うのではなく、目的を志向して行為を積み重ねるのだから、目的倫理学型の推論形式である。この型の推論の流れは、現実に実現されるできごとの流れと逆である。この推論にしたがって惹起される現実の出来事の流れは、「コーヒーを買う」→「コーヒーに対する欲求が満たされる」→「喉が潤される」というものである。つまり、目的手段連関型の推論においては、心理領域においては目的が出発点となり、推論を経て具体的な行為が導かれるが、現実の出来事の流れは、そのようにして導かれた具体的な行為から因果経過
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