詩作行為の倫理学/葉leaf
経過に従って目的が実現されるという、推論とは逆の流れである。
さて、現実の人間の行為は、このように何らかの目的(価値)の実現のために行われることが多い。人間の意思が、具体的な行為から因果系列を経て目的とする状態へといたる事象系列を支配しているというのが、基本的な目的実現型の事象連鎖のあり方である。そうすると、人間の特定の行為に帰属される結果の範囲というものも自ずと限定されてくる。行為論においては、純粋に自然科学的な因果関係ではなく、行為に帰属可能な事象の範囲を限定する因果関係が適切である。
結果の行為への帰属が問題となるのは、結果が利益もしくは不利益である場合である。石を投げたら転がった、
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