詩作行為の倫理学/葉leaf
雨森がごく自然に生み出した個性的スタイルだったかもしれない。だが、そのようなスタイルに従って作られた詩に、雨森自身が満足し、あるいは他の詩人がそのような詩を高く評価するようになると、それらのスタイルは格率となり、それらのスタイルに「従うべき」という当為が発生してくる。
(1)社会的な圧力を伴う規範は普遍的であることが多く、従うべきものであり、目的が隠されていることが多い。確かに規範についても人間はそれに事実的に「従っている」という側面もあるが、その背後には「従うべき」という当為が控えている。よって義務倫理学的な発想になじみやすい。(2)社会的な圧力を伴わない格率は、それほど普遍的ではないが、個
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