詩作行為の倫理学/葉leaf
会でも比喩の巧みさが高く評価される。詩において比喩を使用することは比較的規範性が高い。つまり、初めは雨森は規範・当為として「比喩を使うべき」だったのである。一方で、そもそも規範的で普遍的で自己目的的だった比喩の使用というスタイルが、雨森のものの見方に浸透していき、やがて、雨森は事実としてごく自然に比喩的なものの見方をするようになっていく。つまり、雨森は次第に個性的スタイル・事実として「比喩を使う」ようになったのである。そして、比喩を使う目的は「よりよい詩を書くため」などといった風に、十分に意識されていく。
一方で、引用部に見られたスタイルのうち、身体的モチーフの選択や絶妙な語句の使い方は、雨森
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