詩作行為の倫理学/葉leaf
普遍性もあり、またそれに従う者はその目的を認識していない。つまり、(2)(3)は自己目的的な規範であり、詩人はその規範に従うべきだから従っていて、その規範に従う目的は滅多に意識されない。よって、義務倫理学的な発想になじむ。
一方で、雨森の詩に見られたスタイルはそう単純ではない。そこには自己目的的な規範が個性的スタイルに浸透し目的を回復したり、個性的スタイルが格率や規範となり目的を失ったりというスタイル変動のダイナミズムがある。
引用部にみられたスタイルのうち、比喩の連続は規範性があるかもしれない。つまり、先行する詩人たちが比喩を多用し、それに影響を受けて雨森も比喩を多用し、また詩人の社会で
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