詩作行為の倫理学/葉leaf
 
れた棒となって巻き上がった 発熱する息子がかわいいとうすい大地を舌で舐めながらあなたの妻は私を舐める(中略)非の打ち所のない出会いだった
(雨森沈美「半島へ」GT0008)

ここには、まず、(1)「素足」「発熱」「舐める」という身体的なモチーフの選択というスタイルがある。次に、(2)「私」を「捩じれた棒」にたとえ、さらに棒は通常巻き上がれないにもかかわらず「巻き上がる」という隠喩を使っているという、比喩の連続というスタイルがある。そして、(3)通常「出会い」を修飾するためには用いられない「非の打ち所のない」という形容句を用いている。ここには、「非の打ち所のない」という言葉の意味を正確に
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