詩作行為の倫理学/葉leaf
 
る。
 さて、詩を書くことも行為である。よって、歩く行為についての以上の記述が、同様に詩作行為にも適用される。詩を書くとき、私は詩の社会で肯定的に評価されているスタイルで書くかもしれない。それでも私個人のスタイルというものも表れてしまうだろう。そして私は自己満足という目的で詩を書くかもしれない。詩を書くことで出来上がった詩が読んだ人に高く評価されるかもしれないが、そのときその評価は私に帰属する。
 要するに、詩作行為についても、それが行為である以上、規範の問題、価値・目的の問題、因果関係・帰属の問題、などが生じてくる。これらの問題はとりもなおさず倫理学の問題である。私が本稿で意図するのは、倫理
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