Kへ/A2
 

新しい人と出会い、その彼が九州転勤と決まって、おめでたと決まって
何もかも順風な日々の矢先だった。
僕にとって、身も心もささげた初めての死人となった。
家族や友人が亡くなるのと、少し、この気持ちは違うようだ。
もちろん、僕はこの混沌にいて、この状況をよく理解していない。
ただ、やっぱり考える。
もしぼくと付き合い続けていたら、同じような結果にはならなかったんじゃないだろうか。とか、
もしかしたら、同じ結果になっていて、僕がそのどん底の主人になっていたのかもしれない。とか。
ただ、ひとつ不思議な出来事が残った。
処女詩集だった。
「ガーベラ」の詩を捧げたのは彼女だった。
詩を
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