ラブレターズ /昏(ヤッカ)
 
様じゃない。

僕がそばにいたら
君は多分すぐに死んでしまうけど

きっとあの日僕らは
手をつなぐための手
つないでいた。





『僕はせめてあの死体になりたかった。』

僕じゃない誰かと君は
二人で一緒に死体を処理する。

「死体は静かでいいね。」なんて軽口をたたきながら

あの死体が喋らなくなったのは
     (君を好きになったから?)

僕はせめてあの死体になりたかった。
白いスニーカーとジーンズ
僕の知らない誰かの首飾り

二人ででかい本屋に逃げ込んだあの日から
君の声以外嫌いになったのに。





『つまり、
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