ラブレターズ /昏(ヤッカ)
り、スパイでした。君が。』
たまにあの博物館の
君の出て行った穴から
アルタイルを見ているよ。
あの日君は
誰かの代わりに本を読む仕事に飽きて
この町の化石を盗んでいった。
つまり、スパイでした。君が。
町のみんな、カンカンで
僕は内心ヒヤヒヤしていた。
お人よしなシゾフレニア
またいつか
夕焼けおばけをみにいこう。
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多分、言葉にしたら伝わらなくなる何かを
こうやってずっと言葉にしてきた。
そしてまた明日も、僕は言葉にするかもしれない。
これからの君へのそれは、まだ空白だけど
(なぜか、僕らは未来をいつも思い出せない)
(『 。』)
きっとそれは
劣化する景色を、風で洗っていくだろうから。
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