改訂 いっそう星となって/天野茂典
 
だろう
  しかし世の中には変人がいるものだ
  生き物を食うことは殺生をすることだというのだ
  宮沢賢治だ 賢治は童話のなかで
  徹底的に食べることの醜さを むごたらしさを
  訴えた そうだ『夜鷹の星だ』 ぼくはこの童話を読んで
  真剣に考えた時期があった 現役の教師をしていた頃だ
  夜鷹は醜い 鳥の中でも一番醜いそうおもっている
  そのうえ生き物を食いながら生きてゆかなければならない
  やがて夜鷹は考えて一切食べることをやめるときがくる
  飛んでいるときでさえ嘴をあけていれば微小な虫を
  食べてしまう だから彼は空を飛ぶときも嘴をあけない
  そうして
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