アナザードライブ/ねことら
ければ見過ごしてしまう時のながれのなかで。とてもやわらかな覚醒言語できずつけあいながら、その反射反応を幸福とよんだ。
未来というものがあるのなら、それはメタリックな銀色のスーツを着たあたまの大きいにんげんたちのせかいだ。ぼくたちは年月の近い未来を想像することができない。未来といえば1000年後のことで、コンビニも、スターバックスも、郵便局も、JRも、ホワイトハウスも、ピラミッドも、自動販売機も、すべて死に絶えたおだやかな崩壊後の未来のことだ。現在は順送りにながされるスローモーションフィルムで、そこに声もなければ色もない。ぼくたちは事あるごとに祈っている。そしてその仕草を見られないように隠
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)