アナザードライブ/ねことら
 




ウルトラマリン。ここは深い海だ。部屋に積まれた延滞のDVD。小さな囲いをつくってきみと1000年間ねむってる。名前も忘れられた古生代のさかなみたいに。だれもたずねてこなかった。枯れた窓際の観葉植物。空のペットボトルがいくつか。わずかに差し込むひかりの波紋をくりかえしひろう。8月×日。9月○日。それをなにかのメッセージと誤認する。そして気づかないふりをする。しょくじは必要なカロリーを満たせばなんでもよかった。速度が大切だ。嚥下して消化して排泄する。そしてきみとくりかえし眠る。しらない町のながくなだらかな坂をくだっていくように。それは乱されることの無い祈りのような眠りだ。振り返らなけれ
[次のページ]
戻る   Point(8)