銀河の下で/砂木
 
ぼの側へ行くため
何度も上下に飛び上がっては下降し
ついに側に行って 細い六本の足で掴み上げようとしても
触れるな と制しされた
凍りかけている 置いて行け
それでも 何もできることはないのか
四枚の羽がはなびらのように上下に舞う
バチッ バチバチバチッ 羽音は雷のように空気に満ちた

何をやっているのだろう
そろそろ陽も昇り 凍った林檎が溶ける頃と
林檎畑にやってきた私は 雷に打たれたように立ち竦んだ
いつも スイスイと横に飛んでいるとんぼが
狂おしい羽音で上がったり下がったりしている
あんなとんぼの羽音を聞くのは 捕まえようとして
逃げようとされた時くらいだ 何が
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