銀河の下で/砂木
 
何が起こっているのだろう
側に行って見ると

飛んでいたとんぼは逃げて その真下に
別のとんぼが転がって ぴくぴくしていた
霜柱の中 身動きとれずに弱っている
ひょっとして このとんぼのためになのか

羽を軽く持ち 凍っていない草の上に置く
とんぼは軽く抵抗した 意外と元気
後は知らないけど まあ がんばれ
偶然の気まぐれが 何か起こせるのか

林檎もぎを始めてから霜柱も少しづつ溶けて
羽織った上着を一枚脱いで そろそろ休憩
カラの林檎箱に座りながら お茶を一服
すると目の前に とんぼの夫婦連れが飛んで来て
ぴたり と止まった

あれっ?

とまどいつつもじっとみていると
やがて二人は 離れて行った

さっきのとんぼ達かなあ そうかなあ
別のとんぼかなあ

おい そろそろはじめるぞ

はいはい

私はお茶をかたづけて
林檎もぎに戻った










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