銀河の下で/砂木
 
ってきた足をはわせながら
もう片方のとんぼが 背中によじ登る
二人は 霜柱が降りる中 羽を重ねて耐えた

朝 霜柱が黄緑の草を氷でからめとっている
風に吹かれ なぎ倒されたまま
草はその冷たさに 身をまかせていた

飛べるかもしれない
背中の上に乗っていたとんぼは 霜柱の上に飛んでみる
下で支えていたとんぼは その途端に体を丸めて倒れた
凍った草にずっと立ち続けた体は 限界だった

きこえない悲鳴が草むらに響き渡る

飛び上がったとんぼは 倒れたとんぼに近づこうとするが
一度 出られたはずなのに 凍った草の中には入りきれず
でも 身をよじって倒れこんでいるとんぼの
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