吐く息とともに/殿岡秀秋
 
失敗したとおもうと
腕から背にかけてジーンとしびれて
熱くなったり
かゆくなったりする

気持ちが暗くなり
からだに何かの物資がにじみでる気がする
それがアレルゲンのように蓄積して
許容量を超えてしまう

すると無数にある失敗のうち
とくに悔しいことが
脳裏のスクリーンに
自動再生される

再現映像を観ながら
ああすればよかった
どうしてそうしなかったのか
と自分を責める

大した事もなく
終わったことなのに
腕から背中にかけてジーンとしびれる感じも
よみがえる

ぼくはひとつひとつを言葉にして
悔しさも再現して
ぼくの外に表出して
消してい
[次のページ]
戻る   Point(1)