音のない洞窟( 落日編)/吉岡ペペロ
ったい全体どうしたというのだろう
学生時代、旅日記が詩のようになることがあった
言葉のスナップ写真
情景や匂い、風や音やひかり、湿度、こころがそこには切り取られていた
しかし今書きなぐっている詩はそういうものではないような気がした
それは詩というよりは中学生の卒業文集のようだった
それは中学生の卒業文集というよりは遺書のようだった
落日はだれかにとって
の朝日である
今オレはどこにいるの
か
異国の落日にオレは自
分を確かめた
だれも教えてくれなか
った
大切なひとはただオレ
に無償の愛でやさしか
っただけなのだ
今オレはど
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