音のない洞窟( マレーシア到着編)/吉岡ペペロ
自分がどこにいるのかということに興味を失っているのだろう
こんな精神状態は仕事がらありえないことだ
シンゴはため息をついた
ヨシミを見失っていらい恐慌におちいっている自分を思った
それでも仕事はこなしていた
いまもこうやってマレーシア企業視察団一行を引率している
違和感があった
いつでも倒れてしまえそうだった
シンゴは深呼吸のようなため息をつきながらそう思った
ホテルは思いのほか清潔で天井も高くお客さんも喜んでくれた
明るいハスキィボイスのマイウェイが聞こえる
ロビーにあるバーで生演奏がおこなわれていた
部屋に入るまえに一杯やってしまいましょうかということになった
バー
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