フネ/yumekyo
 
あちらこちらの港に寄っては
ひとり またひとりと 乗り込む者も増えていった

処女航海から何年か経過したある日
巨大な 鉄のフネは 始めて大海へと乗り出していった
船底から蹴倒されるような 獰猛な嵐の数々には
乗員全員が手に手を取って 皆あらん限りの力を振り絞ってこらえ
航海の成否を左右するほどの深刻な水や食料の困窮には
乗員全員が肩を寄せて 苦難を分かち合った
巨大な 鉄のフネは こうして五大陸の港に豊かさをもたらし
そして七つの海を自在に駆け回った
乗員は皆 使命感と自負心に満ち溢れ
焼けた肌は精悍に 頭脳はアイデアと思慮深さに満ち溢れていた

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