殺人の否定/salco
一時の
力関係の錯誤的逆転を今生の手土産にしたかったのではないか
殺人を自己目的のツールとする時点で既に「勝ち」狙いだ
この度のノルウェーの男も大同小異だろう
大量殺人で体制や世論を変えられるものはでない
頭の良さそうな男だから百も承知だろう
世間に挑み、己が思想や信条をマスに伝道したいのなら
政治家やカルトの教祖にでもなるのが結局は近道だ
ところがヒトラーやビンラーディンのカリスマも人望もない男に
できる自己実現といえば
血まみれの一里塚で世人の忘却を免れる事ぐらいしかない
でかい一仕事の後は累犯事件と手紙にささやかな賛同者を見出して
かつて一島の絶対者として君臨した
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