砂壁赤色矮星/鯉
おれは妹を犯していた、冷蔵庫の中で、フリーズドライされたあいつが「やさしい」とおまんこで(もちろんきみたちが期待しているように経血でも吐きながらだ)叫んだのを忘れはしない、ほんとうに、小さすぎたのだやさしさが、だとするからこそ刺身には目玉があったしアイスクリームには小人が居て昨日の残りの豚の角煮はマトリクスで掻爬する、書き出されたおれの精子は冷凍室で宇宙の孤独を味わっている。と彼は言ったのだ、シャープペンが突き刺さる、「お元気ですか」と手紙の送り主がモールス信号で送ったが結局のところそれは斑点にしか見えなかった。電車が過ぎてゆく、と彼は言った、四角に区切られたフィルムが、夕闇に照らされて網膜を網羅
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