思い出し/電灯虫
違いと同じを同時に起こして
未分化を抱えさせた。
降車駅に止まったから 電車を降りた。
同じように降りる人にぶつからないように
乗ってくる人にぶつからないように 気をつけた。
料金を電子的方式で支払って 帰り道を行く。
ランドセル背負った帰り道 雨はどしゃぶりだった。
ろくに歩いている人がいない中 傘をさして帰ってた。
向こうから 制服着た 二人のお姉さんが
濡れながら こちらに走っていた。
僕を見つけて いいなー 入れてー と言った。
だから 一生懸命手を伸ばして 傘に入れた。
ホントに入れてくれるの? 優しいね ありがとう。
と言って お姉さんは傘に
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