赤鼠、白狐 ver. 2/mizu K
る、君がおとすのだ、これから、これから君が、だからあぶないよと先に声をかける、となりの人はもういない
川原で火をつけて川に投げ込んだ、それは、あ、なんどもなんども投げ込んでなんどもなんども投げ込んで、投げ込んで、投げ込んでもさっぱり燃えずにぐじぐじいってじゅうと消尽してしかたがないから、ま、油をどくどくそそいだ、照らされてぬらりとして、川とまじわりもせで、なめるように、なめとるように、なめつくすように、浸食していく、それがわたしにはなんだかこころよい、そそいでる最中であるから暗い目をして川面を見つめていた、川面はぬれていた、ふしぎとぬれてひかっていた、あの水草のかげに何かなにかがひかっている
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